中国に直接行くと失敗する理由
総統選挙も終わり、
台湾で30年近く総合コンサルされている日本人社長、
ジョージ(仮名)70歳の会社に訪問した時のこと。
仕事の打ち合わせが終わり、雑談の際でのお話。
私:
直接中国に進出した場合、歴史的背景や、言語やら、価値観の違いなど
色々ネックはありますが、結局のところ一番のポイントは何なんですか?
ジョージ:
そうだねぇ・・・
【いつもより険しい表情で語りはじめる。】
ジョージ:
結局の所はルールだよ。ルールがわかんないだ。
商談時のルール、値段交渉、物流、お金の流れ。
なにもかもが日本と違う。
日本の感覚でそのまま通訳通してやればなんとかなるってレベルじゃないんだ。
私:なるほど
そして中国は賄●社会でしょう。お国の人間もなにもかもだよ。
誰が仕切ってるのかもわかんないで行くと、足止めくらってハイオシマイ。
中国でビジネスをやるには必ず重要人物を抑えておかないといけない。
私:なるほど
ジョージ:
でもね、台湾人は中国人とのビジネスをよく解かってる・・・。
言語も同じだし習慣も似ている。
【時代は1992年にさかのぼる】
もともと台湾は中国だが、この時期は政治的背景もあり、
対中国ビジネスはそこまで盛んではなかった。
現在のように、台湾から中国への直行便などは無く
台湾から中国に行くためには、沖縄もしくは香港を経由するしか方法がなかった。
それをぶち破ったのが現総統の馬さんである。
馬政権により今では台湾から中国へはジャンボ機がバンバン飛んでいる。
ベトナム、インド、シンガポールなど他国の便も日本以上ビジネスマンが乗っている。
そして一昨年制定されたECFAも加わり、その景気を今後の動きをかぎつけて
多くの華僑達が台湾に流れ込んできている。
ジョージ:
やはり経済的に見ると、中国との関係はいまや切っても切り離せない関係にある。
総統が誰になろうが、経済面で台中交流はもう止められない。
私:
確かに、今では台中間でたくさんのスーツを来たビジネスマンが往来している。
ジョージ:
台湾人は好き嫌いは別として、長年中国と付き合ってきたんだ。
郷に入って郷に従える
私:
外から来た外国人がそのまま土足でお邪魔して
ビジネスの信頼関係なんて築けない。
ジョージ:
そう。
台湾人はやるときゃやるぞ。ビジネスの嗅覚が長けてる。
私:
スイッチの切り替えが早いですね。
30年台湾で実際に体験してきたジョージの言葉、
2011年の日本からの台湾投資件数は過去最高。
ECFA(両岸経済協力枠組協定)の影響もあり、
台湾の2300万人というマーケットを架け橋として
中国大陸を見据えた日本からの投資活動が加速化してます。
【登場人物】
日系総合コンサル会社社長
ジョージ(仮名)70歳
※便利ツール
Google の Public Data を使えば世界の人口増加率やGDP、などを
国別で比較対象しながら数値化できます。

